↓まずは、この巨大缶。

滋養強壮剤と明記されているから、その手の漢方薬かね?
一応、缶には「からだをつよくするくすり」とある。
う〜ん、こんな風に現代は表記出来ないよなぁ・・・時代だよね。
薬の名前は、「大木五臓圓」
製造会社は、「大木製薬株式会社」
現代でも存在してる製薬会社。
この会社のHPを調べてみたら、1658年創業、大木五臓圓を製造販売とある・・・。
マジで?
この薬は、1658年モノ?
まさか、それは無いだろうけど、
でもこれも相当に古いモノらしく、缶に表記されてるお値段は「660瓦入 ¥500」
660瓦というのは、現代では660グラムのこと。
この「瓦」表記がふつーだった時代って・・・いつ?
ちなみに、現代でもこの薬は売られていて、現代品は750gで12600円もする!!!
超高級薬じゃーん!
ということは、500円ってのも、当時じゃとんでもない高額品だったのかも?
500円から、現代では約25倍かぁ・・・、スゴイ時代の流れを感じるね。
ちなみに、成分は、人参・当帰・センキュウ・芍薬・山薬・生地黄・熟地黄・桔梗・茯苓・水飴・白糖・蜂蜜
これは、現代品ともほぼ一緒。
水飴と蜂蜜で練り上げた、舐剤なんだね。
この缶の中で、カッチカチになってるんだろうなぁ。
お次は、↓こんなん。

「眞人活命湯」という名の薬みたい。
「加賀藩主前田公 典醫黒川家傅妙薬」という肩書が、なんとも凄まじいよね。
いったい、いつの時代の代物なんだ?
製造してるのは、「本舗 活命堂本院 花岡 瀬良」とある。
存在地は「長野県岡谷市九〇九二」
現代では、住所がもっと細分化されているんで、岡谷市の後にも地名があって、そっから何丁目何番地となるはず。
岡谷市九〇九二で分かった時代は、いったいいつなんだろうね。
色々と検索してみたんだけど、製造者についても、住所についても、黒川家傅妙薬についても、ワカランかった。
主治特効能は、神経痛・リウマチス・脚気・冷性一切・婦人病・血の道・産前・産後と表記されている。
リウマチスってのは、おそらく現代で言うリウマチ。
英語表記だと「Rheumatism」なんで、おそらく発音を聞かず英字だけを訳した時「リウマチス」になったんだと思う。
「冷性一切」と「血の道」ってのは、なんなんだろうね?
こう書いてある事もスゴイけど、当時はコレで病名が通じたってこともスゴイと思う。
主成分は、柴胡・茯苓・防風・忍冬・牡丹皮・木香・當帰・美活・センキュウ・桔梗・桂皮・芍薬・甘草
他にも2〜3種の成分が含まれているんだけど、現代では表記出来ない文字だったり、読めなかったり・・・なんで、勘弁してちょ。
薬は、煮湯を通し煎じ熱きうちに飲めと。
酒・油濃き物・お茶などは、節制せられたし、とある。
う〜ん、お茶もダメなんだね。
せられたし・・・っていう、言い回しも素敵だね。
当時の価格は、180円。
さっきの大木五臓圓の価格に習って、現代の価格として25倍してみると4000円のお薬だったワケだね。
7日分内蔵されているけど、高級だよなぁ。
お次は、↓ペニシリン!

世界初の抗生物質として有名なのだが、
↓残念な事に空っぽ!

やられたー!!!
なんてね。
もちろん、知ってて買ってます。
このペニシリンを作っていたのは、なんと、あの「明治製菓」
なんで?お菓子会社が?
その理由は、ペニシリン製造に必要な器具と糖類があったから・・・ちょっと作ってみましたってことみたい。
終戦直後に、焼け残っていたシロップ瓶にゼラチンを入れ青カビを培養し、ペニシリンを作ったのが始まり。
今でも「明治製菓」は色々と医薬品を作ってるんだけど、そんなん知られてない感じだよね、不思議だ。
お次は、↓ニチバン紙テープ

これは、現代でも有名な会社のテープだね。
現代でも、テープといえば「ニチバン」
セロテープとかも、みんな「ニチバン」だもんね。
でも、相当に古い代物なんで、中身は劣化しまくって、かっさかさ。
和紙に粘着性物質を延べたモノなんだけど、粘着性物質がどうにかなっちゃったみたい。
↓続いてこんなん。

切らずにすむ!小柳式脱腸帯
当時「脱腸」が流行っていたのか?たまたまなのか?
よくワカランのだけど、実は今回のえぐり品の中身は「脱腸グッズ」満載だった。
これが、その始まりね。
↓中身は、劣化激しく・・・。

ゴム製なんで、デロデロになった後、固まって・・・みたいなことを、長い年月の間に繰り返し続けた結果だと思う。
この形状で固まってしまい、もはや変化不可能。
説明書までも、ベットリくっついてしまっている。
販売元は、「三信株式会社」
千代田区須田町一丁目にあったみたい。
現存してるのかね?
須田町に「三信ジャパン」という会社があるみたいなんだけど、関連性は不明。
当時の価格は、420円
現代なら・・・という目安の25倍すると、10500円。
高級だけど、これで脱腸直る!と謳ってるワケだから、手術するより安いよな。
たぶん、直らんだろうけど。
↓次なる脱腸グッズ。

これは昔読みなんで、右から「博士脱腸帯」になる。
岩片医療機株式会社製なんだけど、驚く事にこの会社は現存する。
もっと驚く事に、この博士脱腸帯が大した変化も無く、いまだ売られていた・・・マジでか?
↓中身はこんな感じ。

切らずにすむ!ってのは、当時の合言葉みたいなもんだね。
牛皮製スプリング式ってのが、ちょっと高級感漂う。
説明書に書いてある定価表によると、当時は片頭用で350円〜650円(ウエストサイズにより変動)。
これが、現代(2012年)だと、10000〜20000円!!!どんだけー!
いやはや、それほど脱腸は大変なんだろうね。
そんな博士脱腸帯が、今回のお買い上げ品の中に3個もあった・・・。
どう考えても、我が家にそんなにはいらんよね。
↓次なる脱腸グッズ!

もう・・・、沢山です・・・。
そんな無限に広がる脱腸グッズ。
それも、コレでお終い。
でも、コレはお買い上げ品の中に4箱もありやがった・・・。
スプリング式スチール脱腸帯で、製造元は「株式会社 森田製作所」なんだけど、
その後、「森田医療品株式会社」に変更になった様で、森田製作所時代のが2箱、森田医療品時代のが2箱あった。
現代では、「株式会社 森田スチール本舗」という社名に変わってるみたいだね。
昔は、神田鍛冶町にあったんだが、今は駒込にお引っ越ししたみたい。
↓中身はこんなん。

取説によると、皮のバンドみたいなモノの中に、舶来スチールを内蔵しているんで「スチール脱腸帯」という名みたい。
それよりもスゴイのは、「脱腸とその療法」と書かれている取説。
絵が・・・、見ただけでシビレるでしょ。
中身も、超ハンパねー。
この時代のね、こういうのが読めるなんて・・・、素敵な事だと思う。
しっかし、なんなんだろうかね?
この脱腸グッズてんこ盛りは。
まあ、これで、オレが脱腸になっても一安心だよ。
そん時には、身を持って、これらを調査してみたいと思う。
お次は↓脱腸とは無縁なアイテム。

「乳児用 アルファー化 コクフン」
なんなん、それ?
強烈すぎだって。
「アルファー化」ってのは、箱の解説によると、「煮ないでもすぐ食べられる」事を表してるらしい。
そんで「コクフン」というのは、漢字にすると「穀粉」
「精白米の御飯を熱いうちにすぐ乾燥して作ったモノ」ということなんで、現代で言う米粉だね。
どうやら、離乳食や重湯なんかに流用するアイテムみたいだ。
製造会社は「親和産業株式会社」
色々と検索してみたけど、ワカランかった。
↓同じ系統なアイテム

これは、現代でもメジャーな雪印乳業製。
過去に、集団食中毒事件を起こした影響で、今は雪印メグミルクになってるね。
これも、さっきのコクフンと同じ用途。
上質な白米を特殊な方法でアルファー化してるのまで、完全に一緒なアイテム。
昔は、こういうので離乳食を作っていたんだね。
↓コクフンやスノーメールに使うものかと思いきや・・・。

「明治コナミルク計量用バー」
明治のコナミルクご愛用者向けの非売品アイテム!
「非売品」というキーワードには、ついつい釣られちゃうけど、だからといって、こんなもんに何の価値もねー。
↓なぜか?こんなのまであった。

YANAGIYAのヘヤークリーム。
現代ではヘアクリームというのだけど、当時は「ヘヤ―」と表記されてた。
柳屋といえば、超有名なポマード会社。
そんなポマードが全盛期だった頃の品かなぁ?
現代のじいちゃん達が若い頃は、コレでバッチしキメてたのかな?

これら全部を、フリーマーで2500円にウチの奥さんが値切ってお買い上げしてきた。
一歩間違うと、ゴミとさえ勘違いされてしまうモノだが、お宝だよね。
でも、脱腸グッズは、あまりにも豊富・・・。
オレが脱腸だったら使い道もあるのだけど、あいにくの健康体?
だもんで、いくら古くてイイものだとしても、コレクションにするにはあまりにも多い・・・。
そういう場合、相方とかいろんな方面にありがた迷惑なプレゼントをするのが我が家流。
だが、相方からは「オレ脱腸じゃねーよ!」と、早々に辞退された・・・。
でも、オレでさえ驚くほど古い代物だと思えたし、箱は風化してるとはいえ、中身は未使用な感じだった。
色んな古いモノに触れてきたおかげか、世間的にはゴミかもしれなくても、
コレほど古いモノのデッドストック的なモノが見つかるのは奇跡に近いというのがオレの感覚。
しかも、マニアックな脱腸グッズ。
中に同封されている解説書の出来栄えも、時代を感じられるとても素晴らしいモノだった。
HPで紹介する為に、検索して色々と調べていたら、ラッキーな事に製作会社が現存していることが分かり、
しかも、今も変わることなく「脱腸グッズ」を、ほとんど変わらぬ形状で作っている事を知った。
そしたらば、オレが持ってるよりも、その会社に送ってあげた方がいいんじゃないかなぁ・・・?
そんな事を、ウチの奥さんがつぶやいたんで、それだ!ヨシ!のった!
ということで、早速送ってみた。
ディズニーに行く前日の2012年7月7日七夕の日にメッセージを添えて梱包し、
週の明けた月曜に、会社で世話になってる運送屋に頼んで、格安で発送して貰った。
向こうが欲しいとも言ってないのに、勝手に送っちゃう、完全な自己満足だけど、
素晴らしい脱腸グッズだっただけに、オレが持ってるよりは良かったはず・・・だと思いたいね。
んで、数日後・・・。
嬉しい事に、その送った会社から、お礼の手紙が届きましたー!(拍手)
正直、勝手に一方的に送ったもんだから、そういうのは期待しなかった。
ただ、オレが持ってるよりは・・・ということで送ったに過ぎない。
相当な年代モノなんで、当時の方達に喜んでもらえればなぁ・・・という気持ちだけだったから、
お礼の手紙が貰えたのは、素直に嬉しいね、ありがたい。
せっかくなんで、内容文も紹介してみたいと思う。
頂いたのは、「岩片医療器梶v様から

チャーリー様
前略、弊社製「博士脱腸帯」をお送り頂きありがとうございました。
表示されている住所が変更前のものになっておりますので、
50年程前に販売された商品と思われます。
弊社では現在も「博士脱腸帯」を製造・販売しておりますが、
全牛皮製の物及びお送り頂いた化粧箱は初めて拝見致しました。
(現在の商品は、一部人工皮帯を使用しています。)
当時の製品に対しての「こだわり」「愛情」を感じさせて頂き、
部材の確保・職人の老齢化で苦労もありますが、今後の製品作りに活かして参ります。
お送り頂いた商品は、弊社にて大切に保管し後世に受け継いでいく所存です。
心ばかりですが、お礼を同封させて頂きます。
この度は、誠にありがとうございました。

誠にありがとうございましたと言いたいのは、こっちでしょ。
あんな素晴らしいモノに出会えて、それが役立つなんてのは、オレの「えぐり」の醍醐味そのものだもんね。
我が家を気遣ってなのか、「ビール券」までも御礼だと頂いてしまって、正直恐縮です・・・。
なにより、「こだわり」「愛情」を感じさせて頂き・・・とまで言って貰えたことが、
なんか、オレの存在価値って、そういうことだよなぁ・・・なんて思えて嬉しかったね。
大切に保管して後世に受け継いでいく所存です・・・とまで言って貰えるほどの物だったことも、
えぐって良かったぁ・・・って、すんごく嬉しかった。
50年前って・・・オレ生まれてないもんなぁ・・・。
一歩間違ったらゴミとして処理されかねない感じの物が、オレによって発掘され、こういう風に役立つなんて・・・、
完全に脱腸アイテムに、「こうしてね」と、呼ばれたんだろうなぁ・・・。
素敵な魔法が起きるもんだね。
おかげさんで、この話を肴に、すんごく美味しいお酒飲めてまーす。

さらに、なんだけど、この魔法は素敵な出来事を巻き起こしてくれた。
頂いたビール券を使って、行きつけの酒屋でお買い上げしたところ、今商店街で福引をやっているから・・・と福引券をちょっと多目に頂いた。
抽選会場は、その酒屋のすぐそば、そんじゃあ・・・と、ウチの息子にやらせてみたら・・・!
まさかの1等賞!!!
やったぜ!
当たった商品は、その商店街で使える金券3000円分!
なので、酒屋にUターン
お店のおっちゃんも、近くの抽選場で鳴った当選の鐘の音を聞きつけており、みんなで盛大に大喜び!
せっかくなんで、ちょっと手の出なかったレアな高額芋焼酎を金券で買わせて頂いた。
まさかまさか、貰ったビール券で酒を買ったら、福引券貰って1等賞、そんで高額な芋焼酎ゲット!
まるで「わらしべ長者」の様な、そんな事・・・あるんだね。
これぞ、素敵過ぎる最高の魔法だと思う。
フリーマーで、きたねー薬買っただけなのに、レアな高額芋焼酎にまで辿り着いちゃうなんて、ありえないでしょ。
ホントに、人生何があるか・・・ワカラン。
でも、何もしないヤツには、なんも起きない事だけは確かだね。
今回も、きたねー薬を買った事から始まって、勝手に送ったからこその魔法。
自分を信じて、動く事が、なにより大事なんだと痛感した出来事だった。

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